IIJ Global Solutions Singaporeについて
シンガポールは新型コロナが明けて、新たに海外進出され新規オフィスを立ち上げられる企業様、事業拡大のためオフィスを拡張される企業様、また、家賃高騰に伴いオフィス移転される企業様など、企業活動が非常に活発になった印象がございます。
これまで、IIJ Global Solutions Singaporeは、日本のIIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)の現地法人として、シンガポールで多くの日系企業様の、新規オフィス開設やオフィス移転プロジェクトを推進して参りました。
ネットワーク、サーバ、クラウド、セキュリティだけでなく、配線、電話システム、Web会議システム、複合機、監視カメラ、ドアアクセスなど、オフィスIT全般のコンサルティング及び導入支援をさせていただいているITベンダーです。
本記事では、これまでの経験から、簡単ではございますが、プロジェクトの進め方についての流れとポイントをご説明したいと思います。皆様の今後のプロジェクトのお役に立てれば幸いです。
IIJの会社概要はこちらをご覧ください。当社のソリューションについてはこちらをご覧ください。
新規オフィス開設プロジェクト
お客様からご相談をいただいた際に、当社では、通常以下のような流れでご提案とプロジェクトを進行いたしております。はじめての国に進出されるお客様は情報も乏しいため、できるだけ、できること/できないことを明確にお伝えして、誤解のないプロジェクト推進を心がけております。
- 業務開始日のご確認
納期ターゲットです。コロナ以降IT機器の納期が長く、納期によって機器選定が変わる可能性があります。まずは暫定で日程を決めて、プロジェクトスケジュールを検討します。 - ご要望ヒアリング、オフィスレイアウトプラン確認とドラフトITプラン作成
お客様のITについてのご要望を伺い、オフィスの広さや構造を拝見して、WIFIアクセスポイントの数や各IT機能について、およそのITプランを立てます。 - 日本本社システム部門様とテクニカル面についてのお打ち合わせ
本社様のITポリシー、セキュリティポリシー、VPNの有無などをしっかりヒアリングします。このプロセスでしっかりご要件をヒアリングしませんと、後のIT監査などでも問題になります。 - ご提案書作成とご提案内容ご相談
上記情報をもとにご提案書を作成し、当社が考えるご提案構成、機器モデル、作業スコープなどをご説明します。 - 御見積書作成とご発注
ご提案内容を合意いただけたら、御見積書を作成して価格調整などを経てご発注いただきます。 - IT機器及び回線(インターネット回線、電話回線)手配
納期が長いIT機器と回線の手配を先に行います。IT機器が明らかに間に合わない場合は、当社は可能な範囲で、暫定機器貸出も検討いたします。 - 内装会社との顔合わせと工事ルールの確認
ビル管理会社との窓口は基本的に内装会社のため、しっかりと工事ルールを把握して従います。 - 日本本社システム部門様を含めて、IT機器詳細設定内容ご相談
ネットワークやセキュリティ設定について、本社システム部門様と相談して合意を得ます。また、その他機器の設定については、現地ご担当者様と内容をご相談いたします。 - IT機器の内部構築とテスト
機器が到着したらまずは当社内部で構築及びテストを実施します。 - LAN配線工事の実施、ITラックの設置
工事期間中に実施すべき配線を、壁やカーペット工事の前にタイミングを逃さずに実施します。事前に内装業者とスケジュールについてしっかり会話することが重要です。 - インターネット回線、電話回線開通
海外の場合ここでトラブルが起きやすいので、しっかりと現地で通信会社をコントロールします。シンガポールで最もメジャーなシングテルの場合、開通までに三度の現地訪問がありますが、当社は全て立ち合いしコントロールします。 - IT機器設置と統合テスト
回線が開通したら、ネットワーク機器、電話設備、その他機器を接続して総合テストを行います。チェックリストをもとにタスクに漏れがないか確認します。 - お客様業務開始とサポート
お客様が業務をされる初日は現地で立ち会いし、トラブルがあればすぐに修復します。 - ドキュメント作成
ネットワーク構成、IPアドレス一覧、ラック図などのドキュメントを作成します。後のITサポートでも非常に重要となります。
以上が新規オフィスITプロジェクトの大まかな流れです。シンガポールの場合、ほとんどの著名ITブランドの製品は調達可能です。通信回線の品質も良いので、そのあたりの心配は少ないですが、やはり通信会社との調整、内装会社とのスムーズなプロジェクト推進など、人との調整は非常に苦労する部分ですので注意が必要です。
オフィス移転プロジェクト
オフィス移転についても、多くの新規オフィス開設と同じプロセスですが、一部注意すべきが異なりますので、 以下でご説明いたします。(新オフィス開設と異なる箇所のみコメントしております)
- オフィス移転日のご確認
移転の場合既に業務をされているため、新規開設より納期遵守はさらにクリティカルになります。
当社の場合、お客様とご相談して金曜日移設にすることが多いです。万一のトラブル時に土日にリカバーするためです。また平日の方が全体的に移転コストは安くなります。 - ご要望ヒアリング、オフィスレイアウトプラン確認とドラフトITプラン作成
- 日本本社システム部門様とテクニカル面についてのお打ち合わせ
オフィス移設のタイミングで、機器モデル入れ替え/セキュリティ強化などを実施されるお客様はおられます。 - ご提案書作成とご提案内容ご相談
- 御見積書作成とご発注
- IT機器及び回線(インターネット回線、電話回線)手配
ここが重要なポイントです。いつ移転するかで、回線事業者との調整が変わってきます。ほとんどの場合、IPアドレスや電話番号を引き継ぐため、必ず通信会社に、指定した日に切り替えてもらう必要があります。 - 内装会社様との顔合わせと工事ルールの確認
- 日本本社システム部門様を含めて、IT機器詳細設定内容ご相談
- IT機器の内部構築とテスト
- LAN配線工事の実施、ITラックの設置
- <移転日当日>インターネット回線切替え、電話回線切替え
インターネット回線、電話回線が問題なく移転できるよう、通信会社と密に連絡を取り現地で確認します。IPアドレスや電話番号が変わっていないこともしっかりと確認します。 - <移転日当日>IT機器移転(新規設備の場合は事前設置)とテスト
再利用する機器は引越し業者と連携して速やかに新オフィスに移設して接続テストを行います。
回線や機器移設でどうしてもトラブルが発生した場合は、土日で必ずリカバーし、月曜の業務開始に間に合わせます。 - お客様業務開始とサポート
- ドキュメント更新
新オフィスの構成変更にともないドキュメントを更新いたします。弊社が新たにプロジェクト及びITサポートをご提供するお客様については、改めにドキュメントを作成いたします。
以上がオフィス移転ITプロジェクトの大まかな流れです。やはり新規オフィスと違い、移転日はずらすことができないため、通信会社の進捗管理が最も重要です。オフィス移転は時間勝負のため、弊社もエンジニアがこまめに通信会社に連絡を取り、無事に移転が行われるよう注意を払いながらプロジェクトの推進をいたしております。
その他
新規オフィス開設とオフィス移転に関するITプロジェクトの進め方についてご説明いたしました。実際にはお客様の事情、特に本社様が求めるご要件でプロセスも変わって参りますので、しっかりと事前にすり合わせするよう当社では気を付けて進めております。
また、当社は小売業様も多くサポートしておりますが、基本の進め方は同じです。ただし、小売業様の場合は、
・POSベンダーなどの関連業者との調整
・売上データ共有のためのビル管理会社のネットワークへの接続(ショッピングモールによります)
などのタスクが入ってきますので、しっかりと事前に要件を確認することが重要です。
IIJ Global Solutions Singapore は10年以上、多くのオフィスや店舗ITプロジェクトを経験しており、もちろん、ITサポートやセキュリティ関連のサービスもご提供いたしております。
また、シンガポール以外の国でも、IIJ現地法人やパートナーと連携して、しっかりとプロジェクト推進をして参りますので、何かご要望やご質問がございましたら、以下のコンタクト先よりご遠慮なくご連絡くだされば幸いです。